アフターピルとは
「アフターピル」とは、妊娠を望まない女性が男性に避妊を委ね、コンドームを着用していないもしくはコンドームが破損、抜けてしまった時などに緊急的に服用する避妊薬です。「EC(EmergencyContraception:緊急避妊薬)」または「モーニングアフターピル」などと呼ばれることもあります。
アフターピルは、女性ホルモンを主成分とする薬剤です。しかし、避妊のために計画的に服用する一般的な「低用量ピル(OC)」とは使用法が大きく異なり、性行為の後に使用するものであることから、「最後の避妊手段」とも言われています。妊娠は、受精卵が子宮内膜に着床することで初めて成立します。
アフターピルには排卵を遅らせて受精を阻止、受精してしまったとしても着床を阻止して妊娠を成立させないようにする働きがあるため、問題となる性行為後、72時間(3日)以内に服用すると、高い確率で妊娠を予防することが可能です。
アフターピルの効果
アフターピルの内服は、早ければ早いほど効果的です。薬の作用は、最初の24時間が最も高く、その後は時間とともに徐々に低下するため、できるだけ早く服用することが重要です。
しかし、最大120時間(5日)までは一定の効果が期待できることから、妊娠の可能性がある時には、72時間を過ぎた場合でも積極的に服用することをおすすめします。妊娠の心配がある時にはできるだけ早く当グループにご相談ください。
こんなお悩みの方に選ばれています
- 適切な避妊を行わなかった
- ピルの飲み忘れが続いた状態での性行為
- コンドームの破損や脱落による避妊の失敗
- 性被害(性暴力)を受けた場合
GYNの返金保証
服用後のアフターフォローとして、万一、妊娠が判明した場合には、患者様のご負担を軽減するため、アフターピルの料金は返金させていただいております。
※アフターピル服用時期と、妊娠週数の不一致など、医師の診断によっては返金対象とならない場合がございます。
※当院医師の診断になりますので、ご来院いただく必要があります。
アフターピルの避妊効果について
アフターピルで、なぜ妊娠が回避できるのかについては多くの説があり、月経周期のどの時期に服用するかによって作用の仕方も異なりますが、おもに以下の二つの理由が考えられています。
作用
排卵を抑制する
排卵が行われる前の卵胞期(らんほうき)にアフターピルを投与すると、正常な排卵が抑制され、約80%の女性は、5~7日程度、排卵が遅くなることが分かっています。排卵が起こらないと、その間に性器内に侵入しているすべての精子は受精の機会を失うため、妊娠を防ぐことができると考えられています。
子宮内膜を急激に変化させる
万一、受精が行われて受精卵になった場合には、子宮内膜の増殖を抑えて薄い状態にすることで、受精卵を着床させないようにします。ただし、避妊効果が期待できるのは、あくまでも妊娠が成立する前の状態までであり、すでに受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立してしまうと、アフターピルの効果は期待できません。
アフターピルの種類と費用
現在、使用しているアフターピルには2つの種類があり、当院ではどちらの処方も可能です。健康保険の適用はないため、基本的にどちらの方法も自費診療となりますのでご了承ください。
種類
ヤッペ(Yazpe)法
緊急避妊法として、日本国内で古くから行われてきた方法です。ヤッぺ法で使用する「中用量ピル」は、長年にわたり「月経困難症」や「子宮内膜症」といった生理に関連する病気の治療にも使用されている薬剤です。費用を抑えられるのが大きなメリットですが、強い吐き気や嘔吐などの副作用が起こりやすい点には注意が必要です。
LNG単回投与法
アフターピルの後発医薬品(ジェネリック)は、日本初の「緊急避妊薬」として承認された薬剤で、WHOのエッセンシャルドラッグ(緊急避妊必須薬)にも指定されています。ヤッぺ法に比べ、身体への負担が大幅に減り、吐き気などの副作用が起こりにくい点や、1回の服用でありながら、避妊効果が高い点などから、現在、アフターピルの主流となっています。
費用
世代 | 承認 | 費用(税込) |
---|---|---|
ヤッペ法 | – | 2,900円 |
LNG単回投与法 | 先発医薬品 | 9,900円 |
後発医薬品(国内ジェネリック製品) | 6,900円 |
※薬剤料・指導料・相談料を含みますが、超音波検査を希望される場合、別途料金がかかります。
※価格はすべて税込みです。
副作用
患者様の体質などによっては、内服後に一時的な副作用(吐き気や嘔吐、下腹部痛、頭痛、だるさなど)が起きる場合があります。
吐き気
中用量ピルを使用するヤッぺ法は、強い吐き気が起こりやすい傾向があり、個人差はありますが、服用した患者様の約半数に吐き気の症状が現れると言われています。( アフターピルの後発医薬品(ジェネリック)の使用では、吐き気や頭痛といった不快な症状が大幅に軽減されるケースが多いです。)
不正出血
女性ホルモンの作用で月経周期が乱れることから、生理日が数日~1週間程度前後したり、少量の不正出血が起こったりするケースもあります。
アフターピルは、すでに妊娠が判明している方や、心臓や腎臓に病気がある方には禁忌となっており、使用を控えなければならない場合もあります。
安全に使用していただくためにも、服用に関して何か気になる症状や心配なことがある場合は、受診時に医師にご相談ください。
アフターピルの服用をお考えの方へ
アフターピルでは100%の避妊はできません。確実な避妊は女性が自分で自分の体を守る選択をする必要があります。今後は低用量ピル(OC)の継続服用などの適切な避妊を行いましょう。
- 性行為から時間が経っていないほど効果的
- ヤッペ法とLNG単回投与法(ジェネリックもご用意)
- 将来の妊娠には問題がない